起業に失敗?苦労で疲れた人の辛い悩みに、東洋思想やマーケティングを!

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はじめまして、隣雲(りんも)です。

私は企業の商品や生活者に関わるマーケティングの仕事を、
転々としているアラフォーの日本人です。

マーケティングの他に東洋思想がたまらなく好きなのですが、
両者は一見すると関係が無さそうではありますね。 

・・・しかし、自分と他者との関わりを深く考える部分など、
通底している部分が多い
のです

 

この度、その二つを私流に合致させた「起業や仕事に疲れた方」向けのブログを立ち上げました。

「自分さえ良ければ全てOK」的な方よりも、
「まじめで誠実な方」に向けたコンテンツを発信します。

先ずこのページは、私が発信に至った経緯や考え方の紹介となります、が!

ついつい14000字超えの長文になりましたので(汗)、宜しければ何度か分けて読んでみてくださいませ。

 

それでは、ごゆるりと!

マーケティング好きが「東洋思想」に興味を持った

そもそも私が何とも堅苦しそうな「東洋思想」に興味を持ったのは、
仕事で関わるマーケティング繋がりでした。

「マーケティング」は結構ふわふわした言葉で、
時代背景やプレイヤーの立ち位置によっても定義が多様でついつい混乱しがちです。

 

世間では「〇〇マーケティング」なるものは無数にありますが、
その施策を大きく分類すると「マス(大衆)」向けと「ダイレクト(直接)」向けの二つです。

普段は聞きなれないこの二つの分類ですが、
活用するメディアで想起すれば理解が早いかもしれませんね。

TVコマーシャルや新聞で露出する「マス広告」が前者で、
Webブラウザで表示される「バナー広告」や冊子を含む「カタログ通販」が後者となります。

私たちが普段目にする「マーケティング」の施策は、ほぼこの二大体系のメディアの組み合わせです。

 

さて、「マーケティング」にはこの二大体系が確立されていますが、
そもそも「マーケティング」とは何でしょうか?

交通整理のために、一般的な辞書の解釈を見てみましょう。

「マーケティング」の一般的な解釈

『顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。』

出典:デジタル大辞泉

う~ん、辞書なのでちょっとお固い感じですね。汗

単語だけ抜き出したほうが、初見には良いかもしれないのでちょっと並べてみます。

「マーケティング」を構成する単語群

①顧客ニーズ、②製品計画、③販売経路、④販売推進、➄企業の諸活動

5つの単語が抜き出せたので、これを並び変えたら分かりやすいかも?

「マーケティング」の一般的な解釈を並び替え

『➄企業の諸活動であるマーケティングは、次の四つの要素で構成される。①顧客ニーズ、②製品計画、③販売経路、④販売推進である。』

最初の辞書の定義より分かりやすくなったでしょうか。

一口に「マーケティング」と言っても様々な領域をカバーしている、ことが伝われば幸いです。

 

さて、先ほど「時代背景やプレイヤーの立ち位置でも定義が変わる」と書きましたが、
マーケティングの定義は本当に無数にあります。

マーケティング大国で、本場アメリカの総本山である「AMA(全米マーケティング協会)」でも、
設立された1960年から現在までマーケティングの定義はなんと「4度」も更新されています。

これは、前述の定義にある冒頭の「顧客ニーズ」が
消費社会が成熟していくにつれ加速度的かつ高度に変化するので、
マーケティング界隈も常に最新の定義で追いかけ続けている図式です。

 

この辺りの事情で「マーケティング」という言葉は、
どうしても捉えどころの難しい「ふわふわした言葉」になるかと思います。

その為か、一般の方に「マーケティング」と言うと拒否反応を示されるケースも多々あります。
(抽象的で捉えどころが難しく、何かエラそうで気取った感じなのでしょうね。かく言う私もそうでした、はい

しかし、世の中の「マーケティング定義」は色々とありますが、
どれも考え抜かれた素晴らしいもので、基本的にどれも間違いではありません。あしからず。

 

・・・では、様々なプレイヤーが「マーケティング」を定義しますので、
ここで私も平たく言い換えてしまいましょう。

・私のマーケティング定義(隣雲,2017)

『「売り(セリング)」の前の段階で、「売り方(マーケティング)」を整備すること』

 

私は「経営学の父」ことピーター・ドラッカーの、『マーケティングはセリングを不要にするものだ』という
シンプルな定義が根源的で本質を捉えていると思います。

P.F.ドラッカー(出典:ドラッカー公式サイト

極端な物言いではありますが、「マーケティング」と対となる「セリング」を持ち出して前後関係をハッキリと明示していますね。

 

私の定義はこのドラッカーの定義をヒントに、なるべく一般の方にも伝わるようにアレンジしたものです。

私の定義をちょっと捕捉します。

普段、あなたは髪を洗う際に先ずシャンプーを使いますよね?
当たり前の行為ですが、実は「売り方(マーケティング)」がこの前処理にあたります。

(お風呂場で結果を焦って、いきなりコンディショナーを使う人はいませんが、
ビジネスの場で短絡的に「売り(セリング)」を急ぐ人は理屈的に不自然な状態と言えますね。笑)

髪の汚れを落とさないとコンディショナーの成分が乗らないように、
現在の市場環境はマーケティングが無いとなかなか「売上げ」が上がらない仕組みになっています。

 

このように「マーケティング(売り方/前処理)」は、
「セリング(売り/後処理)」と対で考えるのが自然でしょう。

私はこの捉えどころの難しいこの「マーケティング」が本当に好きで、
仕事を跨いだ立ち位置はいつも市場調査や企画の辺りでウロウロしています。

・・・そして、普段マーケティングに携わる者として、強く確信していることがあります。

 

以前は「売り手のゴリ押し」で売れたようですが、
そんな時代はとうの昔に過ぎ去ってしまったのです。
(これはマスもダイレクトも同じです)

 

現在は特に消費者や生活者に歩み寄るサービスが支持される傾向にありますが、
本質的な「売れる」と「売れない」の両者の違いは何でしょうか?

うーん

・・・その答えの根源的な処は、
「経営者の想いや理念」に行き着くかもしれません。

 

日本の商道徳のルーツは東洋思想に

興味が高じて日本企業の経営理念や日本の商習慣に関して調べているうちに、
江戸時代に発展した「近江商人(三方よしの理念)や「石田梅岩(石門心学)」を知ります。

仏教や儒教をミックスしながら神道を育んだ日本には、優れた商人の理念があったのです。

そして私は、明治から昭和にかけて日本の資本主義を先導した
渋沢栄一の『論語と算盤(そろばん)』を経て、

孔子の『論語』などの東洋思想の源流に流れ着きました。

渋沢 栄一(出典:渋沢栄一ミュージアム

孔子(出典:国立故宮博物院

この流れを汲んで、私は特に「儒教」に着目します。

儒教(じゅきょう)

孔子を始祖とする思考・信仰の体系である。紀元前の中国に興り、東アジア各国で2000年以上にわたって強い影響力を持つ。その学問的側面から儒学、思想的側面からは名教・礼教ともいう。大成者の孔子から、孔教・孔子教とも呼ぶ。中国では、哲学・思想としては儒家思想という。

出典:Wikipedia

孔子は、乱世であった春秋時代に「徳」を広げて人を治める政治を理想と掲げ
その教えを弟子たちがまとめたものが有名な『論語』となります。

渋沢栄一は「日本資本主義の父」と呼ばれる明治~昭和の大人物で、
「道徳と経済を合致させた資本主義」の発展が、
日本の国力を高める(近代化)と考えました。
(当時は欧米列強の進出もあり、戦力を高めることが主流の中では相当に異質な存在でした)

渋沢が「道徳経済合一説」の根幹に置いたのが、孔子の『論語』というわけです。

渋沢栄一は、なぜ『論語』を持ち出したのか?

実は江戸時代までの風潮として、
(商人に道徳や学問は不要とされ)目に余る拝金主義や利己主義的な商売が横行していた背景があります。

そのような背景もあり、渋沢が日本に資本主義を導入する際、
「道徳的な規範が無いと、資本主義は拝金主義へ暴走してしまう!」と懸念したと言われています。

 

そこで、渋沢は民を治める事は商業活動にも十分に通じると、
少々強引な解釈で『論語』を活用ました。

その『論語』を活用して渋沢が設立に関わった会社は、なんと約470社とも言われています。
(現在でも知られる、みずほ銀行や東京電力やJR等々・・・しかし、渋沢は「財閥」を頑として持たなかったことはここで強調しておきます)

 

東洋思想の中核にある『論語』が商売やビジネスに十分応用できることは、
孔子から2400年後に渋沢栄一が実証してくれたとも言えます。

また、「金が全て」のような拝金主義に対して、
道徳を含んだビジネスでも成功できることも証明しました。

 

とはいえ、私は「お金を稼ぐこと」が悪とは思っていません

儒教を原典(『論語』や『孟子』)から直接読んでみると、
「金儲けは悪だ」「親を崇拝せよ」等が誤解も多く世間に周知されていると思いました。

『論語』等は決してそのような文脈では無いので、私はここに軸足を置いても良いと確信しています。

さらに興味本位で色々と東洋思想を深堀りしてみると、
「現代マーケティングと共通項が多いな~」と感じるようになります。

 

・・・そして、(単純な)私は

前述の「売り手のゴリ押し」が通用し難い時代の、次なる「打ち手」や「ヒント」に違いないと確信するに至りました。

それでは、2010年代も後半になった現在の市場環境に目を移してみましょう。
(ややこしくなるので、ミクロ(最小単位)的な視点でお話します。)

 

現在は生活者/消費者の「購買経験が非常に高度かつ豊富」になっているので、
ブランド差異が見出せない商品は価格競争に陥ることが本当に多くあります。

大企業のメーカーさんに目を向けると「市場シェア(地位)」を維持したいらしく、
安売りして販売数を維持しようと試みたりなどギリギリの消耗戦を展開しています。
(イメージとして食品スーパーやドラッグストアの安売りカップ麺などですね)

特に定番商品(標準商品)は見ているこちらが辛くなる、体力勝負&価格競争ですね。

 

そして、生き馬の目を抜くような熾烈な競争下で、
「埋もれていくブランド」が後を絶たない悪循環。

新商品は「センミッツ(1000種類発売して3種)」しか生き残らない言われるほど、
商品の循環サイクルも本当に目まぐるしくなりました。

・・・ここにどのような問題点があるのでしょうか?

 

先ほどの例で言うと、いきなりコンディショナーをぶっかけるような、
「セリング(売り/後処理)」に走るプロモーション施策にも一因があります。

私はこれを現在のマーケティング環境で、大きな問題点だと捉えています。

 

「売り手都合(ゴリ押し)」の限界

世の大多数のブランドは「市場のリーダーになれない弱者」にあたるので、
この問題点が多くに共通する問題と捉え、こちらに焦点に当ててお話しします。

 

現在のマーケティング環境で「売れない一因」になっているのは、

「埋もれていくブランド」が市場のリーダーよりも
大声(例えばもっと広告を増やすなど)を出せば事態は好転すると思いがちな点です。

下の図をご覧ください。

図1:ブランド価値の到達イメージ ※クリックで拡大します

この図1はブランド価値に差異が無いと、
中長期的に好転させるのは難しいことを示しています。

プロモーション施策で何かしらキャンペーンを打った後に、大きな差が現れますね。

・・・短期的に売上げが上がっても、
何だかあまり嬉しくない状況です。笑

 

広告やプロモーション費用をかけて露出(GRP:延べ視聴率)を増やせば
①の販売の山は意外と簡単に作れると言われています。

「たくさんお金をかければ、ある程度のリターンは得られる」というものですね。

しかし、メーカーの担当者や広告代理店の腕の見せどころはその後で、
理想としては「ブランド価値が伝わった」③の状態です。

 

ほぼ既存ユーザーが反応したのみの②は、
担当者が上司に報告しやすい結果ではありますが、
こちらはプロモーションの部分最適」です。

(担当者が「○○部長、先日のプロモーションで売上げが上がりました~」と上長に報告しやすいですからね)

 

すいません! 難しい事は承知で言いますが、
「ブランド価値が伝わった」③に至って初めて全体が最適化されます。

例えると、ブランド価値が伝わるような
「買い手の生活や都合(総じた文脈)」に寄り添った施策が、
SNSでも話題になりイチ消費者からファン化を促します
(因みに投げ売り定番商品が誤発注以外で、SNSで話題になったのを私は一度も見たことがありません。笑)

これは安売り目当ての「一見さんのお客」ではなく、
「長くお付き合いしてくれる顧客化」の状態ですね。

 

そして、この③の理想的な状態は、
近江商人の概念で有名な
「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間良し)の構図でもあります。

「三方よし」は現在でも通用する原理原則ですが、
いつの時代も売り手都合は「部分最適」でしかありません。

昔の理念とはいえ「三方よし」が、既に日本の江戸時代にあって実践されていたのは大変に興味深い事実ですね。
(※注「三方よし」は昭和以後に考案されたスローガンだが、江戸時代のある家訓にその理念が確認されている)

 

ブランド差異のヒントも東洋思想

図1(ブランド価値の到達イメージ)の説明に戻ります。

【再掲】図1:ブランド価値の到達イメージ 

埋もれていくブランドは、多額の費用をかけても
②の需要の先食いが生じる消耗戦に陥ります。

安売りの価格競争は何としても避けたいものですが、戦略の失敗は小手先の戦術でカバーできません

市場では図の①から②に至るケースが多いのですが、
理想はプロモーション前よりもファンが増えている③の状態ですよね。

 

私が東洋思想的に着目して掘り下げたのは、そのヒントが隠されていると確信したからです。

東洋思想は長く読み継がれてきた
他者との関わりを円滑にするヒントに溢れています。

東洋思想は、現代マーケティングへの応用が十分に可能です

 

しかし、せっかく良い理念があったにせよ、
見込み顧客に伝わっていないケースも多々あります

こちらも図の②の流れですね。

 

「良いものを作っていれば、分かる人には分かる」と、
伝達にあまり力点を置いていないケースは
残念ながらまだまだ散見されます。

・・・あともう一歩で全体が最適化されるのに、
非情にもったいない話です。

 

どちらにせよ「マーケティング(売り方/前処理)」は、結構おざなりにされがちです。

いきなりコンディショナーを頭にぶっかけても、
シャンプーで汚れを落とさないと髪に成分は届きません

 

最近このような②の流れになるケースは大企業のみならず、
スモールビジネス(中小企業やフリーの個人事業主)にも起きていると感じています。

これは、大企業だけの問題ではありません。

 

スモールビジネスの朋(とも)、遠方より来る?

以前、ある方と異業種交流会でお会いして、
その後は色々と連絡を取り合うようになりました。

年齢は50代の男性で、仮にWさんとします。

Wさんは「コーチング」で身を立てたいと独立起業しましたが、
明確な差異が打ち出せずにちょっと停滞している状況でした。

※コーチング(coaching)

人材開発の技法の1つ。 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。 相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。

出典:Wikipedia(コーチングより)

Wさんは柔和な方なので、強引なセールスは特にしていない様子。

現状は先ほどのドラッカーや私のマーケティング定義からすると、
焦ってはいるけど「マーケティング(前処理)」をしていない状況ですね。

Wさんは激務で体調を崩した経験があり、
似たような境遇の人に手を差し伸べたいと一念発起したそう。

(その理念や想いはいつまでも大事にしたいものですね)

 

・・・Wさんは「売り手のゴリ押し」とは程遠いタイプですが、
私はこのような「徳の高い」方には勝手に親近感を覚えちゃいます。笑

このような方はついつい損な役回りになりがちですが、
現在の市場環境は幸いにも「売り手のゴリ押し」が通用し難くなっています

 

とはいえ、誰しも「マーケティングしなきゃ」と思い立つと、
(それが「マーケティング」であるかのように)
ついつい派手なうたい文句の「最新集客方法」に目が向くようです。

皆さん勉強熱心なので、話してみるとその辺りの事情も結構詳しかったりします。

とはいえ、「売り方/前処理」が無い段階で「売り」を焦っている状態ですね。

 

流行りの集客方法もゆくゆくは必要でしょうが、
ここでは優先順位が違うかと思います

続けてそちらを考察しましょう。

 

流行りのLINE@やFacebook広告は枝葉の「戦術」

中小企業やフリーの個人事業主向けのセミナーや教材を調べると、
「集客」さえすれば何とかなるような文脈が多いことに気が付きます。

しかし、広く浅く集客して「売り」に繋がっても、それは数として決して多くは無いでしょう

この場合、残念ながらその後は多くが離れていく
「一見客(いちげんきゃく)」のはず
です。

・・・この状況で持続可能なビジネス展開ができるかというと、ちょっと厳しいかなと思います。

 

その構図を説明する為に、「売上」を因数分解してみます

単純な数式ですが下記をご覧ください。

・「売上」の因数分解

①客数×②客単価=売上

図2:「売上」の因数分解 ※クリックで拡大します

(単純明快ですが、眺めていると結構奥深く感じる数式です)

先ほど、図1に示した「販売の山場」は、この式でも作れますが、
「流行りの集客方法のみ」でできるのはこの辺りが限界です。

 

図1の③「ブランド価値の到達」の好ましい状態を目指すならば、
図2に要素がもう一つ加わります

・「売上(ブランド価値の到達)」の因数分解

①客数×②客単価×③頻度(リピート率)=売上

図3:「売上(ブランド価値の到達)」の因数分解 ※クリックで拡大します

「頻度(リピート率)」が加わるということは、
売り手と買い手に「時間軸」が生じた状態ですね。
(指標としては、ただの「売上」ではなく「顧客の生涯価値(LTV)」になります)

現在は「広く浅く」顧客を求めるよりも、顧客のイメージを「狭く深く」絞ってリピート頻度を高めたほうが有効です。

よく、「ターゲティング」と呼ばれるものも、その施策の一つですね。

インターネットやスマートフォンが発達した昨今の生活環境において、
私たちの周りには全て処理しきれないほどの情報が溢れています。

自分に向けて無さそうなメッセージやオファーは問答無用に「無視」されてしまう時代だからこそ、

下手な鉄砲には期待せず「ターゲティングで顧客を絞る」ことが有効に作用します。

 

そして「頻度(リピート率)」が加わると、
売り手のゴリ押しで買わされる状態から、関係を継続する「顧客化」した状態に変化したとも言えますね。

図1に図3を加えてまとめると、下記のイメージ(図4)になります。

図4:ブランド到達イメージ+頻度(リピート率) ※クリックで拡大します

右上に、図3の「頻度(リピート率)」が加わりました。

この図4を見ても、流行りのLINE@やFacebook広告の活用は、中・長期的視座で捉えると枝葉的な事かと思えます。

もちろん、広告は短期的な観点からも重要ではありますが、
あくまで戦略的に捉えないと「顧客化」は難しいでしょう。

 

「持続可能な顧客化」こそが事業の継続に不可欠なので、中・長期的な売上を構成する「ブランド価値の到達」は何かしら必要になると考えます。

さもなくば「穴の開いたバケツに水を入れている状態」で広告費を垂れ流すことになりかねません。

私が「流行りの集客方法」ばかりに目が向くと危険と思うのは、このような理由からでした。

 

「東洋思想的」な理念と、ブランド差異を設計する「USP」

ここまで説明すると、
「じゃあ、『ブランド価値の到達』はどうやればいいんだよ!」
と聞こえてきそうですが、章の後半で具体策も示します。

もう少しお付き合いください。

 

戦略の第一歩として「ブランド差異」をどのように打ち出すかは、
ビジネスの成否を左右する重要な問題と述べてきました。

これは大企業のメーカーさんでも、スモールビジネスも同様ですが、
打ち出し方の根源にある「売り手側のマインドセット」が大きく関わります

 

私が前述の東洋思想的なマインドを重要視しているのは、
現在のビジネス環境でも理念の形成や点検に十分活用できるからです。

このようなマインドセットは避けたいなと思う例を挙げてみますと、

「世の中は金が全てだ!」
「弱肉強食の世界は奪った者が成功者だ!!」
「自分さえ良ければ何でも良いんだ!!!」etc…

・・・典型的な収奪型でいかにもな拝金主義や利己主義のイメージですね。苦笑

古くは「押し売りセールス」だったり、近年では迷惑メール業者など
嫌われるビジネスの例は枚挙に暇がありません

極端な例でしたが「売り手都合のゴリ押し」興味の無い人からすれば、「エイリアン襲来」のような迷惑行為ですよね。

 

自分が「買い手」になっても「売り手」になっても、
「これは良い事なのか?」「悪いのか?」という価値の判断基準は常に必要になります。

「東洋思想」はその指針となってくれるのです。

 

「売り手のゴリ押し」と真逆な東洋思想の系譜

東洋思想の中核で古くから読み継がれている『論語』には、
このような「売り手のゴリ押し」マインドを戒める言葉が多数あります。

・孔子のことば①

『利に放(よ)りて行えば、怨み多し』論語/里仁篇(4-13)

訳:利益を優先させると、人の怨みばかり買う羽目になる

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

・孔子のことば②

『不義にして富み且つ貴(たっと)きは、我に於(お)いて浮雲の如し』論語/述而篇(7-15)

訳:不正をしてまで手に入れた富や名誉は、わたしにとっては何の意味も持たない

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

よく誤解されていますが、孔子は経済的な豊かさを全く否定していません

ただし、貧しい生活でも楽しみが見出せた孔子は、
同様に貧しさも否定しません。

問題は道理に適っているか否かでした。

そして、孔子の儒教を守るために奮闘した「孟子(孔子の没後の孫弟子にあたる)」にも、こんな言葉が残されています。

孟子(出典:Wikipedia

・孟子のことば

『苟(いやしく)も義を後にして利を先にするを為(な)さば、奪わずんば厭(あ)かず』孟子/梁恵王篇(1-1)

訳:義をないがしろにして自分の利益を優先させるならば、行きつくところ、奪いつくさなければ満足しなくなる

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

「収奪型」で「焼き畑農業的」なマインドセットは、
残念ながら現在のビジネス環境でも散見されます。

これでは、目指すところの「ブランド価値の到達」からは遠ざかる一方ですね。

 

私が捉える古の「東洋思想」は、中核である約2000年前の「孔孟の教え」から長い時を経て、「渋沢栄一」に直接繋がります。

渋沢は「孔孟の教え(孔子と孟子)」に従って、
日本の資本主義の基盤を整備した偉人です。
(渋沢がモットーとした「道徳経済合一説」をまとめた講演録が『論語と算盤』となります)

この系譜は、明らかに拝金主義や利己主義とは真逆ですね。

 

東洋思想から現代ビジネスに流れ着きましたが、
先人が「他者との交わりについて」考察した膨大な知見
現在でも通用するコミュニケーションの奥義だと思います。

この辺りが「売り手のゴリ押し」が通用し難くなった現在においても、
ビジネス理念の形成や点検にぴったりだと思う所以です。

 

「USP(ユーエスピー)」でビジネスの「個性と約束」を宣言

理念やマインドセットの次は、いよいよ「ビジネス戦略の設計段階」です。

「ブランド価値到達はどのようにすれば良いのか?」の解として、
ゴリゴリのブランド構築という手もありますが、
ここでは後ほど具体的なマーケティング施策「USP(ユーエスピー)」
をご紹介します。

 

・・・後ほどの「ブランド構築」や「USP」に大いに関わりますが、
やっぱり自分の好きで苦にならない事か否も、ビジネスを継続するうえで大事になるでしょう。

特にスモールビジネスで起業したけど頭打ち状態の方は、
先にこの辺りの確認も必要かもしれません

「好きでもなく楽しくもないこと」を続けるのは大変なエネルギーを消耗するはずです。

 

・・・大丈夫そうでしたら、先に進みましょう!

 

最近よく耳にするフレーズで「自分の好きを仕事にしよう!」とありますが、
前述の孔子は既に2500年前の『論語』で本質的な事を指摘しています。

「自分と仕事の関係」は現代ビジネスパーソン特有の悩みに思うかもしれませんが、
古からの根源的なテーマだったようですね。

・孔子のことば③

『これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむに者に如(し)かず』論語/雍也篇(3-20)

訳:理解することは、愛好することの深さに及ばない。愛好することは、楽しむ境地の深さに及ばない

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

現代のインターネット風に不等号で表すと、
『楽しむ>>>好む>>知る』といった感じでしょうか。笑

その「好き」や「楽しむ」を自分ビジネスで起業した場合などでも、
見込み顧客にどのように見られるか設計が可能です。

ブランド化を意味する「ブランディング」ですね。

ここで何かしらの「ブランディング」が無いと、ライバルとの差別化ができなく埋没してしまいます。

(この「好き」や「楽しむ」を打ち出すのは、
どちらかというと大企業よりスモールビジネス向けだと思います)

 

最近ではスモールビジネスの起業家向けの講座に、
「パーソナルブランディング」も人気のようです。

パーソナルブランディングは「個人向け/最小単位」のブランド設計でありますが、
「自分と客観的に向き合う」のはかなり難易度が高いので
このような試みはかなりおススメです。

 

また、スモールビジネスだと会社名(屋号)やサービスよりも、
個人を前面に出す機会が多いかもしれませんが、

一緒に訴求出来たら話が早いですよね。

 

前述の「パーソナルブランディング」より少し大きな概念が、「USP(ユーエスピー)」です。

スモールビジネスだと「サービスと人となりも一緒に伝わりやすい」ので、
私が何かしら相談をされる際には

この「USP(ユーエスピー)」をおススメしています。

・「USP(Unique Selling Proposition)」とは?

直訳すると「独自(ユニーク)の売り(セリング)の提案(プロポジション)」で、「人となりとサービスを集約させた約束(コミット)のフレーズ」とも意訳できる。※よく「強味」と混同される場合がある。

USPの例
ドミノピザ「熱々のピザを30分以内でお届け!遅れたら無料にします」
M&M「お口で溶けて、手で溶けない」
ダイソン「吸引力が変わらない、ただ一つの掃除機」etc…

因みに、この「USP」を提唱したロッサー・リーブスは、
1960年代にNYで大活躍した広告マンです。
(米国で新たな広告文化が花開いた、伝説の「マディソン・アベニュー」の立役者の一人)

ロッサー・リーブス

ロッサー・リーブス(出典:Wikipedia

リーブスは数多の企業の成長を支えた立役者で、
所属していたテッドベイツ社も世界有数の広告会社になりました。

その活躍の中核にあったのも「USP」を考案して活用したから、と言われています。

「USP」は1961年に著書「Reality in Advertising」で提唱された概念ですが、
日本ではなぜかリーブス没後の2012年に翻訳書が出版されています。

・・・私感ですがこの概念はマーケティング界隈だとマス広告分野より、
スモールビジネス支援分野で特に注目されたと思います。

 

閑話休題、「USP」の本題に戻ります。

「USP」この概念の特徴は、「(最初に)宣言してしまえば強みにもなる」点です。

誰もが知る機能やスペックで「ゴリゴリの世界NO.1」を目指すのでなく、
伝えたい人に「一番最初にサービスと共に想起される」ことを
目指すと言っても過言ではありません。

 

先ほどのドミノピザの例だと
「ピザを15分で届けることに注力する」よりも、
誰もが当たり前にやっていた「30分で届けることを最初に宣言する」ことに意義があったのです。

この事例は、競合が提案していなかったケースですね。

 

スモールビジネスの場合だと、ここに「人となり」も加えられます

自分の「強み」や「弱み」を俯瞰して見つけるフレームワークも大事なのですが、
「好きで楽しめる」を打ち出す場合には、
こうした宣言のような熱い勢いも大事になるでしょう。

そう、熱意が伝わりますよね!この熱意が何かと人を動かします。

 

そして、この宣言は同時に顧客への「約束」になるので、
メリットも伝わりやすい利点があります。

(かといって、強みを磨く努力を怠る人にはこの恩恵はありませ

私は、過度な売り込みをしたくないとお悩みなら「USP」が最適かと思います。

 

・・・最近はかつての「USP」ブームもひと段落して、
スモールビジネス界隈の支援分野ではさらっと流す基本知識となった感があります。

しかし、言葉が独り歩きして
現在はそれっぽいコンセプトやコピーも「USP」と呼んでいたりと、
随分とゴチャゴチャになっているようにも見えます。

 

日本に「USP」が紹介された2010年代はネット広告全盛でしたが、
1960年代の概念がスモールビジネス界隈の人に支持されました。

その概念に普遍的な価値を見出したからでしょう。(私もその一人です。)

 

「USP」はブームもひと段落した現在こそ、「好きで楽しめる」を打ち出す際に活用してみてはいかがでしょうか。

特にスモールビジネスと相性が良いので、面白いと思います。

 

「徳の高い人」を応援したくなる理由

私は聖人君子のような人間では無いと自覚しているので、
前述のWさんのような方を、東洋思想的な「徳の高い人」だと尊敬します。

実はWさんに相談を持ち掛けたら助けてもらえたりと、
私はその恩恵にあずかる事も多々ありました。

しかし、Wさんに見返りを求められたことは一度もありません

 

このような振る舞いは現在のビジネスシーンにおいて
「損」「無駄」「無能」と見られることも多いかもしれませんが、
孔子はこのように語っています。

・孔子のことば④

『己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す。』論語/雍也編(6-30)

訳:自分が立ちたいと思ったら、まず人を立たせてやる。自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

実は同じような考えは「論語」だけではなく、
マーケティング界隈でも「GIVE!GIVE! GIVE!(とにかく与えろ!)」と教えられますが、
これは古代から東西の宗教や哲学に共通して見られる『黄金律(Golden Rule)』と言われるものです。

『黄金律』はキリスト教やイスラム教でも同じような表現があるので、
人類の「コミュニケーション作法の結論」かもしれませんね。

 

時代性から見ても「声の大きい人」が勝ち組とされたコミュニケーション作法は、
もはや通用し難くなっています。

『黄金律への回帰』と言えばよいでしょうか。

そう、何度も申し上げている「売り手のゴリ押し」ですね。

しかし、この「売り手のゴリ押し」ができなく、
起業や仕事で成果が思わしくないとお悩みの方も多いと聞きます。

・・・そのようなケースで疲れている方にこそ「東洋思想」や、
実は相性の良い「マーケティング」を組み合わせてみたらと思います。

道徳的な「徳」の高い方と親和性が高いはずです。

 

以前からマナーの良さを「押しが甘い」「仕事ができない」とレッテル貼りされてしまう風潮がありますが、
私はこの論調が大の苦手です。

「売り手のゴリ押し」が淘汰されても構わないのですが、
人を益するタイプの方は今後も大事にしたいですね。

 

他に悩んでいる人がいるかもしれない

Wさんの近況を聞いて気が付いたことは、私の周りで他にも思い当たる人がいることです。

皆さんに共通しているのは、
集客や販売のキッカケが掴めなくて
相手の嫌がる「売り手のゴリ押し」のようなことをしないタイプです。

 

私の周りにいるなら、世間的にも一定数の困っている方がいるはずです。

そんな方に「あなたは間違っていません、勝つ術はありますよ」と言いたいので、
私はそれをコンテンツ化してブログで発信しようと思います。

もし、同じようなことで困っている人がこのブログに辿り着いたら、
何かしらヒントを感じてもらえると嬉しいです。

 

また、起業をしていなくても、
将来的に所属している会社に「もしも」があるかもしれない現在のビジネス環境です。

大手で一生安泰と思われた以前のシャープや現在の東芝ですら
屋台骨が揺らいで相次ぐリストラ整理される時代です。

また、オックスフォード大のオズボーン博士の論文『未来の雇用』で、
テクノロジーの進化によって「10年後に無くなる仕事」が話題になりました。

・・・ちょっと嫌な時代ですが、
どちらにせよ道理に適うやり方で)知識やスキル取得の準備は必要ですね。

現在のビジネスシーンでも、
気の惹かれそうな「新しく見える概念」はおおよそ「古い概念」の上に成り立っていたり
「既出の概念」を言葉を変えて言い直しているに過ぎません。

四字熟語で有名な「温故知新」
前述の『論語』が出典だったりしますが、
「古いものを見直したら実は新しかった」事はそれほど珍しくありません。

 

このブログでは「古い」東洋思想や「新しい」マーケティングを
包括的に組み合わせたものをお伝えしていく所存です。

前述の『論語』『孟子』や『論語と算盤』の概念的な話はもちろん、
個別具体的に「ブランディング」や「USP」の作り方などもお伝えします。

 

他にも、現代マーケティングに大きな影響を及ぼす「消費社会の変容」ですが、
その経緯も一応触れようと思います。

マーケティングの戦略面では、
東洋思想の諸子百家で有名な「孫氏」も役に立つでしょう。

後々の「クリエイティブジャンプ」は足場が固まらないとできないので、
戦略の足場を固めるための様々な「リサーチ手法」や情報を整理する「フレームワーク」ご紹介します。

また、「マーケティング」と「セリング」の間に
こっそりと戦術の「コミュニケーション領域」が隠れています。
(巷の経営コンサルタントの方が、門外漢でもうかつに触れたがる分野)

その領域だと、プロモーションやキャンペーンの核になる「アイデア発想方法」も必要でしょうか。

伝える為の「情報発信」「ウェブマーケティング」として、
ブログ設置(WordPress)やアクセス解析(Googleアナリティクス)も押さえておきます。
(もし、私が広告に触れるとしても後回しの後回しです。)

 

あと、文脈から外れなければ、
ウェブ以外の「リアル店舗」も、私が触れたい話題だったりします。笑

なぜなら、日本のリアル店舗の歴史を遡ると、
古くは「近江商人」「石田梅岩」から戦後の小売業を支えた出版社の「商業界」の存在もあって、
日本の商道徳の規範を考える上で外せないからです。

 

アイデアの発想方法の一つでもありますが、
遠く離れた(古いものと新しい)ものを繋げようとすると、このように色々と連環していきます。汗

しかし、これは無理やりではなく、
互いの共通項を内包しているのでアイデアとして成立しています。
(化学反応みたいなものですね)

とりあえずは色々とコンテンツを、整理して置いておこうかなと思います。

 

・・・連環したものを網羅するのは大変だと思いますが、
やりがいのある作業だと感じています。

東洋思想的な「徳の高い人」が活躍できる世の中は、私としても望んでいる理想の世界であり、
孔子の有名な言葉も私の背中をぐぐっと後押ししてくれています。

・孔子のことば➄

『義を見て為さざるは、勇なきなり』論語/為政篇(2-24)

訳:人間として当然なすべき義務と知りながら行動をためらうのは、勇気にかけている証拠である

出典:「中国古典の名言」 東洋経済社より

私が貢献できるとしたら、東洋思想やマーケティングの知識を掛け合わせて、徳の高い方々の手助けとなる事す。

 

 

『焼けども尽きず。起業の悩みに疲れても、春風吹いてまた生ず』

こちらは弊ブログのタイトルと副題として付けましたが、
起業や仕事で思い悩んでいる人に届きますように・・・と願っています。

 

とはいえ、先ほど「楽しむ境地の深さ」が大事だと孔子も言っていたので、
私も楽しくやっていきます。

「また楽しからずや!」の心意気ですね。

 

それでは、長文にもかかわらず
ここまでお読みいただきありがとうございました~

今後の展開をお楽しみに!

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隣雲(りんも)

隣雲(りんも)

こんにちは、隣雲(りんも)です。
私は東洋思想とマーケティングが好きな、アラフォーの日本人です。

声の大きい狡賢い人よりも、徳の高い人こそが報われる世界があったら良いなと思っています。

・・・私の好きな『論語』に「徳は弧ならず、必ず隣有り」という一節がありますが、
このブログはその一節のように、ビジネスパーソンや起業してその後苦労されている方にとって「必ず隣有り」となるべく発信していきます。

そんな私が、なぜ発信しているか等はこちらのリンク先からどうぞ。

「東洋思想」も「マーケティング」も難しく聞こえますが、実は全然難しくないし、組み合わせると大変役立つ英知だと思いますよ。

これらの話を通して、「自分の価値」や「売り方」を再構築する手法などを、楽しくお伝えする所存です。

また楽しからずや!